シミにはさまざまな種類があり、症状によって治療法も異なります。

今回は数多くある治療法の中から、当院で特におすすめしている治療法についてご説明します。

 

シミの種類と原因

皮膚は、表皮・真皮・皮下組織の三層から構成されています。

表皮の深層部である表皮基底層に存在するメラノサイトからメラニンの生成が促進されることや、表皮のターンオーバーが低下することにより、メラニンがスムーズに排出できずにシミとなります1)。

メラニンの生成促進は、主に紫外線によるものと考えられています。シミにはさまざまなタイプがあり、主に6種類に分類されます1)。

 

日光性黒子(老人性色素斑)

もっとも一般的なシミで、老人性色素斑とも呼ばれます。

顔や腕など、紫外線を浴びやすい部位にできやすく、30~40歳代以降に目立ちやすくなるといわれています。

紫外線によって表皮細胞に老化がみられ、メラニンが蓄積し、肌のターンオーバーが低下することが原因のひとつと考えられています。

 

老人性イボ(老人性疣贅・脂漏性角化症)

老人性イボは日光性黒子が発展した良性腫瘍で、老化によってできるイボといわれています。

中高年の顔や手、腕など紫外線を浴びやすい部位にできやすい傾向にあります。

形状は少し盛り上がったもの、棘状のものなどさまざまです。

良性から悪性化することがごく稀にあるため、発見時には早めに取り除くことをおすすめしています。

 

そばかす(雀卵斑)

そばかすは鼻や両頬などにできる遺伝性の強い色素斑です。

幼少期から思春期にかけ、左右対称に数mm程度の小さな円形の褐色斑が発生するとされています。

そばかすは遺伝性ですが、比較的短い期間に紫外線を浴びることで色素細胞が活発にはたらき発生するものとされます。

 

肝斑

肝斑は30~40歳代の女性にできやすく、左右対称に目尻の下や両頬に発生するとされています。

表皮内にある色素細胞が異常に活発にはたらくことで発生すると考えられています。

肝斑のはっきりとした原因はわかっていませんが、妊娠や女性ホルモンのバランスの乱れ、メイクの刺激による擦れや日焼けなどが原因として考えられています。

 

後天性真皮メラノサイトーシス(ADM)

20歳代以降、そばかすよりも少し大きめの灰白色の色素斑が額や両頬、下まぶた、小鼻などに発生するとされています。後天性真皮メラノサイトーシスは日光性黒子やそばかすなどと見分けが可能ですが、判断が難しく、肝斑と見分けがつきにくいもの、肝斑と合併する場合もあります。

後天性真皮メラノサイトーシスもはっきりとした原因はわかっていませんが、女性ホルモンや紫外線の影響などが考えられています。

 

炎症後色素沈着

炎症後色素沈着は、皮膚に炎症を生じた部分でメラニンの色素沈着が起きている状態です。

境界が不鮮明で、網目状の色素沈着がみられます。

体内にさまざまな炎症症状を引き起こす炎症性サイトカインなどによって色素細胞が活性化することで生じると考えられます。

シミ取りレーザーの治療後に起きることもありますが、それは時間の経過とともに薄くなっていきます。

やけどやアトピー性皮膚炎などで掻くことを繰り返していると出てくるものはなかなか薄くなるのが難しいです。

 

シミの予防

シミを予防する方法として、紫外線対策をする、シミ予防に効果的といわれる栄養素を摂取する、十分な睡眠時間を確保することなどが考えられますが、シミの種類を問わず悪化の原因とされる紫外線について詳しくご説明します。

紫外線は天候にかかわらず年中降り注いでいるため、日焼け止めやサングラス、帽子や日傘などを使用して紫外線をできるだけ浴びないように心がけましょう。

紫外線は窓を通して入ってくるため、室内でも日焼け止めを塗ることが大切です。日焼け止めの効果を示すものには、SPFとPAの2種類があります。

 

SPF

短時間で肌に赤い炎症を起こすUVBから肌を保護する目安で1〜50+までの数値で示され、数値が上がるほどUVBへの防御効果の持続時間が長いです。

 

PA

一時的に皮膚を黒くし、しわやたるみにつながるUVAから肌を保護する目安で4段階の「+」マークで表示され、+が増えるに伴い、UVAに対する防御効果が高いとされています。

普段使いでも、SPF50+・PA++++など、紫外線の防御効果が高い日焼け止めをお勧めいたします。

ただし、日焼け止めの中には紫外線吸収剤を使用しているタイプが多くあり、肌に負担をかける物質が少なくありません2)。

吸収剤は紫外線を反射して防ぐため、塗布すると白くなりやすいことが特徴です。

そのため、塗布量を規定量よりも少なく使用した場合には効果が減ってしまうことがあります。

日焼け止めを使用する際は、製品の規定量に従って塗布するようにしましょう。

また日焼け止めの持続時間は人によって違うため、外にいるときは可能な限り塗り直しをお勧めいたします。

 

シミ取りレーザー治療

シミ取りのレーザー治療は症状によってさまざまな治療法がありますが、今回は当院で特におすすめしている施術についてご説明します。

 

日光性黒子

いわゆるシミと呼ばれる日光性黒子に対しては、特にピコレーザーをおすすめしています。

ピコレーザーは周囲の組織に対する熱影響が少なく、衝撃波によってメラニンを破壊します。

従来のQスイッチレーザーはナノ秒(10億分の1)の照射でしたが、ピコレーザーではピコ秒(1兆分の1)という短時間で肌に照射するため、よりダメージが少ないと考えられます。

ピコレーザーの場合、色素沈着を起こしにくいとされています。

 

老人性イボ

当院では、炭酸ガスレーザーをおすすめしています。

スキャナ機能によって事前に決められた大きさや形に照射可能で、均一な深さできれいにイボを除去することができます。

 

そばかす

当院では、ピコレーザーもしくはBBLフォトプラスをおすすめしています。

ダウンタイムがとれるか取れないか、照射回数を少なくしたいか、などご意見を聞き取って選ぶことができます。

そばかすは遺伝性のため、再発する場合がありますが、こたろクリニックでは初夏に悪化しやすいことを考慮し、独自メニューとして定期的に照射できるプランをご用意しています。

また、肝斑が潜んでいる場合があるので、トラネキサム酸の飲み薬やシミクリームの併用もお勧めしています。

 

肝斑

肝斑の治療は、トラネキサム酸やビタミンCの内服、ハイドロキノンクリームやトレチノインの外用薬を処方します。

レーザー治療では従来の高出力レーザーで症状の悪化などがみられた場合でも、最近ではピコレーザーによるピコトーニングでの治療が可能になってきています。

ピコトーニングとは、レーザーを肌から浮かせて照射することで皮膚へのダメージを軽減させ、メラニンを減少させる治療法です。

肝斑治療にはピコトーニングと内服薬、外用薬の併用でより効果が期待できます。

また肝斑治療のほか、肌のハリ、くすみや肌質の改善などに効果が期待できます。

 

後天性真皮メラノサイトーシス(ADM)

当院では、Qスイッチレーザーをおすすめしています。

ADMは、1回の照射ごとに反応を見ながら治療計画を立てることが多いです。

レーザー照射後は炎症後色素沈着を引き起こすことが多いですが、時間の経過とともに薄くなっていきます。

また、ADMは深いところにあるため、普通のシミより回数がかかりますが、回数を重ねると確実に薄くなっていきます。

 

炎症後色素沈着

炎症後色素沈着を引き起こした原因を特定し、原因を取り除くことが大切です。

通常、レーザー後の炎症後色素沈着は数ヵ月程度で自然軽快しますが、トラネキサム酸やビタミンCやビタミンEなどの飲み薬やシミクリームを併用することでより早く薄くなります。

また、火傷やアトピーで掻いていたことによる色素沈着は、治療に時間と回数を要しますが、ピコトーニング、トラネキサム酸やビタミンCなどの飲み薬、ハイドロキノン・トレチノインといったシミクリームで治療を行います。

 

治療後のアフターケア

それぞれの治療法について、経過やダウンタイム、アフターケアなどをご説明します。

 

日光性黒子、後天性真皮メラノサイトーシス

レーザー照射後は、数日後に焦茶色のかさぶたができることがあります。

3日~2週間程度でかさぶたが自然に取れます。

レーザー照射から1ヵ月後に炎症後色素沈着が起こり、一時的にシミが濃くなることがあります。

シミ取りレーザーをする前または、テープ保護が終わった後から、ハイドロキノンやトレチノインのシミクリームを塗ることで炎症後色素沈着を早い段階で薄くすることができます。

またシミを早く薄くするためには、レーザー照射後、日焼けをしないことがとても大切です。

ダウンタイムとして、輪ゴムで弾かれたような痛みやテープ保護が2週間必要であったり、テープの下で思いの外に焦茶色に濃くなったり、照射1ヶ月後あたりから炎症後色素沈着を生じることがあります。

 

老人性イボ

生傷を早く綺麗に治すためのハイドロコロイドの医療用のテープを患部に貼り、生傷が治るまで1~2週間ほどの時間がかかります。

生傷が治った後は、ピンク色になっており、3~4ヶ月かけて肌色に馴染みます。

 

そばかす

ピコレーザーの場合、1~3回でシミを取り除くことが可能で、BBLフォトプラスは6回以上の施術が必要です。

BBLフォトプラスでは、照射後に数日でマイクロクラスターと呼ばれる焦げ茶色がかった表皮成分が形成され、5~7日で剥がれ落ちます。(照射回数を重ねてくるとマイクロクラスターは起きなくなります。)

自宅で日焼け止めと保湿剤によるケアをお願いしています。

ダウンタイムは1〜2週間程度です。

副反応として、炎症後色素沈着、赤みなどを生じることがあります。

 

肝斑

ピコトーニングの経過や反応に個人差はありますが、当院では6回目くらいから肝斑が薄くなってきたことを実感できる場合が多いです。

トラネキサム酸内服の場合、1日3錠を内服し、1ヵ月程度でシミの色が薄くなってきたように感じるといわれています。

ダウンタイムとして、一時的に肌がほてったように赤くなることがありますが、数時間〜数日でもとに戻ります。

治療後は、赤み、白斑などが生じることがあります。

 

炎症後色素沈着

原因により薄くなるスピードが変わってきます。

レーザー後の色素沈着は数ヶ月で、アトピーで掻いていたり、火傷が原因の場合は数年かかります。

メラニンの排出を促すトラネキサム酸の内服やハイドロキノンやトレチノインを塗ることが治療後は大切です。

 

料金

当院での施術料金は、以下の通りです。

 

日光性黒子

ピコシミ取りショット 1つ〜5mm5,500円(税込)
ピコシミ取りショット 1つ5.1〜10mm8,800円(税込)

 

老人性イボ

イボ1mmにつき2,200円(税込)
首取り放題(半年間有効)220,000円(税込)
顔取り放題(半年間有効)330,000円(税込)

 ※見た目の改善目的では自費治療、悪性腫瘍との鑑別目的では保険適用となります。

 

そばかす

BBL 初回トライアル13,200円(税込)
BBL 6回99,000円(税込)

ピコシミ取りショット 顔 1回当て放題

97,900円(税込)

 

肝斑

ピコトーニング 全顔トライアル13,200円(税込)
ピコトーニング 全顏6回99,000円(税込)
トラネキサム酸30日分2,750円(税込)
エレクトロポレーション10,780〜16,500円(税込)

 

後天性真皮メラノサイトーシス(ADM)

ADMシミ取りレーザー1回 :33,000円(税込)

 

炎症後色素沈着

ビタミンC 30日分2,750円
トラネキサム酸 30日分2,750円
Lシステイン 30日分2,750円
ビタミンE  30日分2,750円
グルタチオン錠 30日分4,400円

 

シミ取りレーザーには、症状に応じてさまざまな種類があります。

当院では患者さん一人ひとりの状態やご希望に応じて、治療法をご提供しています。

気になる症状でお悩みの方は、当院へお気軽にご相談ください。

シミ取りレーザーの詳しいご案内は今すぐこちらから

 

【参考】 1)川田暁.『美容皮膚科ガイドブック第2版』中外医学社.2019. 2)宮田成章.『イチからはじめる 美容医療機器の理論と実践 改訂第2版』全日本病院出版会.2021.

 

 

 

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シミ取りの無料カウンセリング

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(こたろクリニック院長 :吉武 光太郎 監修)

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