皮膚科でもらった薬を塗っているのにニキビ跡がなかなか消えない。。

そんなお悩みをよく耳にします。

ニキビ跡の治療について書きたいと思います。

 

ニキビ跡とは

ニキビ跡とは、ニキビによる炎症が長期間続いた場合に、肌が凸凹にみえるクレーター、色素沈着、赤みなどが肌に残る状態のことです。

皮膚は外側から順に、表皮、真皮、皮下組織から構成されています。

肌のバリア機能が低下した状態で炎症が長引いた場合、真皮や皮下組織など肌の奥深くまでダメージが残り、ニキビ跡となって残ることがあります。

ニキビができたら早めに対処することで、ニキビ跡になる可能性が低くなると考えられます。

またニキビ跡になるとセルフケアで治すことが難しく、保険適用の治療も限られています。

 

ニキビ跡ができる仕組み

ニキビが発生し、ニキビ跡になるまでには次のような仕組みになっていると考えられます。

 

  1. ストレスや食生活、生活習慣やホルモンバランスの乱れなどで皮脂の分泌が増える
  2. 毛穴の角質のターンオーバーが遅滞して毛穴が詰まる
  3. 白ニキビができ始める
  4. アクネ菌や細菌が皮脂を栄養にして増える
  5. 皮脂が蓄積し、炎症が起きて赤ニキビになる
  6. アクネ菌が組織を破壊する
  7. 炎症が進んだニキビは、ニキビ跡になって残りやすくなる

 

ニキビ跡は保険では治らない

ご存知でしたでしょうか?

ニキビ跡の治療はそもそも保険のお薬で治せるものはありません。

保険のお薬のディフェリン®やべピオ®は、今あるにきびを治し、新しくできにくくするお薬です。

保険のお薬の抗生剤は、触ったら痛いなどの炎症のある赤ニキビや黄ニキビを治すお薬です。

したがって、ニキビ跡の治療にはそもそも保険のお薬がなく、保険外(自費)のお薬を使用する必要があります。

 

ニキビ跡には種類がある

ニキビ跡には赤いニキビ跡と凸凹になっているニキビ跡、いわゆるクレーターがあります。

 

赤いニキビ跡

炎症があるニキビを放っておくと赤いニキビ跡になります。

自然に消えるには数年待つしか方法がありません。

積極的に治療することで半年ほどで薄くすることができます。

 

凸凹のニキビ跡(クレーター)

強い炎症のニキビを放っておくと、凸凹のニキビ跡になります。

色味は肌色なことがほとんどです。

ブラマヨの吉田さんの頬がクレーターになります。

肌に穴を開けて再生を促す治療を繰り返ししていくと徐々に改善していきます。

 

色素沈着

茶色いシミのようなニキビ跡のことで、メラニンが原因と考えられています。

肌のターンオーバーが乱れて古い角質の排出がスムーズにいかず、メラニンが蓄積することで発生するとされています。

 

ニキビ跡のホームケア

ニキビ跡を消すことは難しいですが、悪化させない方法として主に以下のようなものが考えられます。

 

生活習慣の改善

食生活や運動、睡眠など基本的な生活習慣は心身の健康だけでなく、肌にも影響します。

皮脂量を調整したりターンオーバーを促進するビタミンB群、皮膚や粘膜の健康をサポートするビタミンC、肌を作るたんぱく質などを中心にバランスよく摂り入れましょう。

運動は血行を促進し、睡眠中は肌の新陳代謝が活発になるとされています。

栄養バランスのとれた食事をとる、適度な運動をする、質のよい睡眠を心がけるようにしましょう。

 

徹底した紫外線対策

紫外線はシミやたるみなど、肌トラブルの原因になると考えられています。

紫外線は年中降り注いでいますが、特に6~8月に紫外線量が最も多くなる時期とされています。

一日の中で最も紫外線量が多くなるといわれる午前10時~午後2時の外出はできるだけ避け、外出時は日焼け止めを塗る、帽子や日傘、サングラスを使うなど、紫外線を浴びないように工夫しましょう。

 

保湿などのスキンケアを丁寧に行う

肌にできるだけ刺激を与えず、皮脂を落とし過ぎないことがポイントです。

洗顔料をよく泡立て、ニキビやニキビ跡に刺激を与えないように優しく洗いましょう。

熱いお湯は必要な皮脂も洗い流してしまう可能性があるため、人肌くらいの温度のぬるま湯で洗い流してください。

また肌の乾燥はニキビや肌あれなどの肌トラブルを招く可能性があるため、洗顔後は化粧水や乳液などでしっかり保湿し、肌の乾燥を防ぎましょう。

 

美白化粧品を使用する

色素沈着のニキビ跡ができている場合、ビタミンC誘導体を使った基礎化粧品やハイドロキノンが配合された美白化粧品が効果的といわれています。

ハイドロキノンには、できたシミを薄くし、シミを予防するはたらきがあります。

また、メラニンを合成する酵素の活性を抑制し、メラニンを作るメラノサイトの数を少なくする作用があるといわれています。

ビタミンC誘導体は、皮脂を抑制する、シミを防ぐなどビタミンCの抗酸化作用を発揮するといわれています。

 

赤いニキビ跡の治し方

3つ方法があります。

組み合わせて治療を行うとより効果的です。

 

① レーザー

ジェネシスといわれているロングパルスNd:YAGレーザー 1ヶ月に一回(最短の場合は2週間に一回)で約10回ほど照射するとだいぶ薄くなります。

照射されている感覚は、温かみを感じる程度で、ほぼダウンタイムはございません。

副作用として、赤みやヒリヒリ感、ほてりがみられることがあります。

ジェネシスという名前はキャンデラ社が商標権を持っており、ジェネシスと同じ波長や照射の仕方をロングパルスNd:YAGレーザーと言います。

他のメーカーから出ているロングパルスNd:YAGレーザーでジェネシスと同等の効果を出すことができます。

 

② ケミカルピーリング

角質を溶かす薬をクリニックで塗る治療です。

1ヶ月に一回(最短の場合は2週間に一回)行なっていきます。

施術中、ピリピリ感を感じます。

時々赤みが出る方がいますが、これもほぼダウンタイムはございません。

ニキビ跡を少しずつ目立たなくさせる他、ニキビをできにくくします。

 

③ エレクトロポレーション

薬剤を電気の力を借りて浸透させる治療です。

普通に化粧水を塗るより80倍角質層に浸透していきます。

薬剤にビタミンCを選び肌に導入することで、ニキビ跡を少しずつ薄くしていきます。

これもケミカルピーリング同様、ニキビ自体をできにくくする方法でもあります。

副作用として、極まれに痒みや赤みなどがみられることがあります。

 

凸凹のニキビ跡の治し方(クレーター)

主に針で穴を開けるレーザーで穴を開けるかの2つの方法で改善してきます。

 

針で穴を開けて治す(ダーマペン)

針で治すタイプは、ダーマペンといわれるペン型の針が上下することで肌に穴があき、針に伝った薬が肌に浸透して、徐々に改善することができます。

 

⑤ダーマペン+PRP(ヴァンパイアフェイシャル)

PRPというご自身の血から再生物質を濃縮してお薬を作り、それをクレーター部分に塗りながらダーマペンで治療を行います。

3〜4日間の赤みのダウンタイムがあります。

痛みがあるので、麻酔クリームを塗って痛みを感じないようにしてから施術を行います。

施術後に痛みを感じることはあまりありません。

芸人のバービーさんもこの治療をされており、Youtubeで動画をアップしています。

クレーター治療の中で、一番改善度が見込まれます。

3回ほどで徐々に良くなっていることを感じされます。

5回ほどで他の人から見ても効果を感じられるようになります。

副作用として、赤み、出血、疼痛、鱗屑、色素沈着、腫脹などが考えられます。

 

⑥ダーマペン+成長因子

成長因子という再生を促す薬剤を使用してダーマペンで治療を行います。

ダウンタイムは5〜7日間ほど赤みがあります。

副作用として、赤みや発疹、かゆみやヒリヒリ感がみられることがあります。

症状の現れ方はダーマペンの針をさす深さによって異なります。

 

レーザーで穴を開けて治す(フラクショナルレーザー)

レーザーでお肌に穴を開けて、その穴が治る過程でクレーターを改善していく治療です。

この治療のみでは再生を促す薬剤は使用されないため、フラクショナルレーザーの直後にエレクトロポレーションで成長因子を導入することをお勧めします。

 

⑦ピコフラクショナルレーザー

ピコレーザーのフラクショナルレーザーです。

レーザー光線がとても早いので皮膚表面には穴が空かずに表皮の下で空胞化するため、ダウンタイムがかなり短くなり5日間ほど赤くなります。

また色素沈着のリスクもなくなります。

ピコフラクショナルレーザー直後の肌に穴が空いた状態に、エレクトロポレーションで成長因子を導入するとさらに再生促進物質が加わるのでお勧めです。

赤みがでます。

出力によって赤みがひく期間が変わりますが、1日〜4日ほどです。

出血は出力によって起こり得ます。

⑧炭酸ガスフラクショナルレーザー

炭酸ガスで皮膚正面から細かい穴で蒸散させて、改善させます。

ダウンタイムは7日間ほどですが、色素沈着のリスクがあり色素沈着を起こした場合は半年間ほど照射部位が点状に茶色く赤くなります。

日焼けしたような赤みがでます。

出力によって赤みがひく期間が変わりますが、1日〜7日ほどです。

 

ニキビ跡治療の流れ

1.予約

WEB予約または電話予約をしていただきます。

WEB予約の場合は、空き状況をご確認の上でご予約できるためおすすめです。

 

2.カウンセリング

患者さん一人ひとりのお悩みや気になることをお聞きします。

 

3.問診・診察

症状が気になり始めた時期や生活習慣などをお聞きします。

肌の状態を診察し、患者さんのご希望や症状によって当院で治療できる方法をご提案いたします。

 

4.治療

患者さんの同意の下、症状に応じた施術を行います。

 

ニキビ跡治療料金

当院における施術料金は以下の通りです。

 

ピコジェネシス

全顔1回 /トライアル13,200円
1回22,000円
6回99,000円
6回 /2クール目以降5,500円オフ94,500円

 

ケミカルピーリング

顔、首、デコルテ1回8,800円
6回44,880円
背中(上or下半分)1回16,500円
6回82,500円

エレクトロポレーション

スタンダードヒアルロン酸+トラネキサム酸+ビタミンC10,780円
プレミアム幹細胞抽出成長因子16,500円
オプション追加ビタミンC誘導体3,300円
追加トラネキサム酸3,300円
追加プラセンタ3,300円
追加The Ruby(ビタミンB群)3,300円
レーザー・ピーリング後の追加EPスタンダード8,800円
レーザー・ピーリング後の追加EPプレミアム14,300円

 

ダーマペン+PRP(ヴァンパイアフェイシャル)

1回109,780円
3回(一回あたり9万円)297,000円
6回(一回あたり8万円)528,000円

 

ダーマペン+成長因子

初回のみ22,000円
2回目以降27,500円

ダーマペンの金額変更しております

 

炭酸ガスフラクショナル

鼻1回13,200円
鼻6回66,000円
13,200円
バタフライライン (鼻+頬)1回16,500円
11,000円
全顏22,000円

 

ピコフラクショナル

初回 トライアル16,500円
1回27,500円
6回132,000円

 

※ジェネシス、ダーマペン、エレクトロポレーションについて

  • 国内では医薬品医療機器等法上、未承認医療機器です。
  • 日本の厚生労働省にあたる米国のFDAの承認を取得しています。(エレクトロポレーションを除く)
  • 当院では医師の判断の下、国内販売代理店経由で購入しています。医学的知見のない個人輸入は推奨していません。
  • 国内の承認医薬品等の有無について、他に同程度の性能を有する国内承認医療機器はありません。

 

ニキビ跡治療のよくある質問

ニキビ跡は自然に治らないのですか?

色素沈着や赤みのニキビ跡は、美白化粧品を使ったり肌のターンオーバーを促進したりすることなどで改善可能と考えられます。

ただし、特にクレーターになったニキビ跡は自然治癒が難しいため、医療機関での治療が適しています。

 

治療に痛みはありますか?

治療内容により、痛みを感じることがあります。

治療前に麻酔をするケースもあるため、あまり痛みを感じることはないと考えられます。

 

ニキビ跡になりやすいのはどういうニキビですか?

初期の白ニキビや黒ニキビが進行して炎症を起こし腫れている赤ニキビや、さらに悪化して膿が見える黄ニキビがニキビ跡として残りやすいといわれています。

ニキビ跡を残さないためには、症状がひどくならないうちにニキビを治し、悪化した場合でもできるだけ早めに対処することが大切です。

 

顔以外のニキビ跡は治せますか?

顔以外のニキビ跡にも対応可能です。

ニキビは背中や胸元などにもできやすい傾向があります。

特に背中はご自身でケアをすることが難しいため、一度カウンセリングを受けることをおすすめします。

 

ニキビ跡治療まとめ

  • ニキビの治療は保険診療でもできますが、ニキビ跡は保険のお薬では治せるものがありません。 
  • ニキビ跡には赤いニキビ跡と凸凹のニキビ跡のクレーターがあります。
  • 赤いニキビ跡の治療で一番治りがいいものはロングパルスNd:YAGレーザー(通称ジェネシス)
  • クレーターの治療の一番治りがいいものは、ヴァンパイアフェイシャル(ダーマペンPRP(再生医療))

こたろクリニックではニキビの治療だけでなく、ニキビ跡の治療に対して様々な治療を用意しております。

一人で悩むのではなく、一度ご相談いただけたらと思います。

 

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(こたろクリニック院長 :吉武 光太郎 監修)

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