できもの治療アイキャッチ

皮膚にできた「できもの」が気になり、どんな治療があるのか知りたい方は多いのではないでしょうか。

できもの(粉瘤など)の治療は、切除が基本です。

ただし、できものの状態によって切除の方法は変わり、炎症しているときはまず切開排膿を行います。

この記事では、できものの治療法と選び方、費用を、形成外科の視点でわかりやすく解説します。

そもそもできものとは?

そもそもできものとは?

まずは「できもの」とは何か、代表的な種類や特徴を整理しておきましょう。

できものの中でも、とくに多いのが粉瘤(ふんりゅう)です。

ここでは、粉瘤を中心にできものの基本を解説します。

できもの特徴
粉瘤(アテローム)袋に角質がたまる・最も多い
脂肪腫脂肪のかたまり
ほくろ色素を作る細胞の増殖

できものの代表=粉瘤

できものの中でもっとも多いのが、粉瘤(ふんりゅう)という良性の腫瘍です。

粉瘤は皮膚の下にできた袋の中に角質や皮脂がたまったもので、中に固形のものや、どろっとした液体がたまっていることもあります。

しこりを押すと、中の内容物が出てきてにおうことがあるでしょう。

良性のため急いで治療する必要は少ないものの、自然には消えません。

▶︎粉瘤(できもの)の施術詳細を見る

できやすい部位

粉瘤は全身にできますが、とくに洗いにくい場所にできやすい傾向があります。

とくにできやすいのは、次のような部位です。

粉瘤ができやすい部位

  • おしり・背中
  • 顔・耳の後ろ
  • 頭・足の裏

おしりや背中、顔や耳の後ろなど、さまざまな部位にできます。

なかには、頭や足の裏にできることもあるでしょう。

皮脂や角質がたまりやすい場所は、粉瘤ができやすいといえます。

場所によっては衣類や動作でこすれて炎症を起こすこともあるので、気になるしこりがある場合は部位を問わず一度相談すると安心です。

粉瘤ができる原因

粉瘤ができる原因は、老化現象や外傷など、はっきりしないことも多いとされています。

体質的にできやすい方もいますが明確な予防法は確立されておらず、清潔に保つこと以外に確実に防ぐ方法はないのが現状です。

そのため、できてしまった粉瘤は、気になる場合に治療を検討します。

放置しても自然には治らず、少しずつ大きくなることが多いものです。

大きくなる前に相談することで、治療の負担を抑えやすくなります。

粉瘤を放置するとどうなる?

粉瘤を放置すると、少しずつ大きくなり、炎症を起こすことがあります

小さいうちは気にならなくても、大きくなると手術の傷も大きくなりがちです。

また、細菌が入ったり内容物が漏れたりすると、赤く腫れて痛むことがあります。

炎症を起こすと治療が二段階になり期間も長くなりやすいので、気になる粉瘤は小さく落ち着いているうちに相談するのがおすすめです。

早めの対応が、結果的に負担を抑えることにつながります。

できものの治療法(切除が基本)

この章ではできものの治療法と、その選び方を解説します。

炎症の有無によって進め方が変わりますが、できものの治療は原因となる袋ごと取り除く切除が基本です。

まずは治療の選び方を、下のポイントで確認しましょう。

できもの治療の選び方

  • 炎症なし
    → 切除(くり抜き・紡錘形)
  • 炎症あり
    → まず切開排膿、または鎮痛剤で経過観察
  • 切開排膿後、または鎮痛剤内服後
    → 落ち着いたら切除

治療は切除が基本

できものの根本的な治療は、原因となる袋ごと取り除く切除です。

粉瘤は袋が残っていると再発するため袋ごと取り除くことが大切で、切除は局所麻酔を使った日帰りの手術で行われるのが一般的です。

切除手術の主な特徴をまとめます。

  • 局所麻酔の日帰り手術
  • 保険が適用される
  • 袋ごと取り除く

粉瘤の切除は保険が適用され、自己負担を抑えて受けられます。

入院の必要がないことも、多くの方にとって利点です。

治療法の選び方(炎症の有無で分かれる)

治療法は、できものが炎症しているかどうかで大きく分かれます

炎症していない粉瘤は切除で1回の手術で取り除けることが多く、その方法にはくり抜き法と紡錘形での切除の2つがあります。

一方、赤く腫れて痛む炎症性のできものは、その場では切除しません。

炎症しているときは、まず切開排膿や鎮痛剤で炎症を抑えることを優先します。

このように、状態に合わせて治療法が選ばれるのです。

切除の方法(くり抜き法・紡錘形)

切除の方法(くり抜き法・紡錘形)

炎症していない粉瘤の切除には、主に2つの方法があります。

くり抜き法と紡錘形での切除で、それぞれ向き不向きがあります。

まずは2つの方法の違いを、下の表で見比べてみましょう。

切除法向いているできもの特徴
くり抜き法小さい・炎症なし傷が小さい
紡錘形での切除大きい・炎症歴あり膜ごと確実に取れる

くり抜き法

くり抜き法は、専用の器具で小さな穴を開け、中身を絞り出して袋を取り除く方法です。

傷がとても小さくなりやすいのが、くり抜き法の利点です。

くり抜き法の特徴

  • 小さな穴から取り出す
  • 傷が小さい
  • 炎症歴ありは不向き

比較的小さく、炎症を起こしたことのない粉瘤に向いている一方で、炎症を繰り返した粉瘤には不向きとされています。

炎症があると周囲と癒着し、袋を取り残して再発しやすくなるためです。

どの方法が適しているかは、医師が状態を見て判断します。

紡錘形での切除

紡錘形での切除は、ラグビーボールのような形に皮膚を切り、袋ごと確実に取り除く方法です。

傷はくり抜き法より大きくなりますが、線状の傷あととなり目立ちにくくなっていきます。

大きな粉瘤や、炎症を起こしたことのある粉瘤に向いているのが特徴です。

袋を直接見ながら取り除けるため取り残しが少なく、炎症を起こしたことのある粉瘤でも取り残しなく切除しやすいとされています。

再発を抑えたい場合に選ばれることが多い方法です。

傷あとの違い

くり抜き法と紡錘形では傷の大きさが異なりますが、最終的な傷あとの差はそれほど大きくないとされています

とくに小さな粉瘤では、どちらの方法でも傷あとの差はわずかです。

ていねいに縫合することで、傷あとは時間とともに目立ちにくくなります。

傷あとをできるだけ残したくない場合は、形成外科で相談するようにしましょう。

▶︎できものの切除は何科?皮膚科と形成外科の違いを見る

炎症しているときは切開排膿

できものが炎症しているときは、切除ではなく切開排膿を行います。

ただし、炎症が軽い場合は、鎮痛剤のみで経過を見ることも多いです。

炎症しているときの治療の流れは、次のとおりです。

炎症しているときの流れ

  • まず切開排膿、または鎮痛剤で経過観察
  • 約2か月あけて様子を見る
  • 落ち着いたら切除する

炎症性粉瘤とは

赤く腫れて痛む粉瘤は、炎症性粉瘤(炎症性アテローム)と呼ばれる状態です。

炎症を起こすと、もとのサイズより大きく腫れることがあります。

痛みや腫れが出てから、はじめて受診する方も少なくありません。

炎症があるときに無理に切除すると傷あとが大きくなったり再発したりしやすくなるため、炎症性粉瘤はまず炎症を抑える処置を優先するのが基本です。

▶︎炎症性粉瘤の症状と治療の流れを見る

切開排膿で炎症を抑える

炎症が強いときは、皮膚を小さく切って膿を出す切開排膿で炎症を抑えます

局所麻酔をしたあとに患部を切開し、たまった膿を排出するのです。

膿を出すことで炎症の原因を取り除き痛みや腫れをやわらげますが、切開排膿はあくまで炎症を抑えるための処置で、粉瘤自体が取れるわけではありません

袋が残っているため、炎症が落ち着いてから改めて切除します。

切開排膿だけで終わらせず、通院を続けることが大切です。

切開排膿後に切除

切開排膿で炎症が落ち着いたら、最短2か月以降に粉瘤を切除します

炎症が引いてから切除することで再発を抑えやすくなるのですが、このとき、紡錘形での切除で袋ごと取り除くのが一般的です。

二段階で治療することで、小さい手術跡で取り切ることを目指します。

待機期間は状態によって変わるため、医師の指示にしたがいましょう。

炎症をくり返す粉瘤こそ、落ち着いてからの切除が大切です。

できもの治療の費用と当院での治療

できもの手術の費用と、当院での治療について解説します。

粉瘤などのできものは保険が適用され、自己負担を抑えて治療できます。

まずは費用の目安を、下の表で確認してください。

手術の部位と大きさ価格(3割負担の目安)
切開排膿(小切開・2cm未満)1,320円
切開排膿(中等量・2〜5cm未満)2,970円
露出部 2cm未満4,980円
露出部 2〜4cm11,010円
非露出部 3cm未満3,840円
非露出部 3〜6cm9,690円

できもの手術の費用

できものの切除は、保険診療で受けられ、3割負担なら数千円〜1万円台が目安です。

露出部(顔・首など)と非露出部(背中など)で、保険点数が分かれています。

できものの大きさによっても金額が変わり、切開排膿は3割負担で1,320〜2,970円が目安です。

正確な費用は診察のうえで決まるため、受診時に確認すると安心です。

このほかに診察料や検査料、処方料などがかかることも覚えておきましょう。

手術後の注意点

できものの切除手術を受けたあとは、いくつかの注意点があります。

主な注意点を、下にまとめます。

手術後の主な注意点

  • 運動:1週間ほど控える
  • 入浴:1週間ほど控える(シャワーは翌日からOK)
  • 飲酒:1週間ほど控える

血流がよくなると血腫のリスクが上がるため、運動・入浴・飲酒1週間ほどは控えめにしましょう。

注意期間は傷の状態によって変わるため、医師の指示にしたがってください。

抜糸が必要な場合は、指定された日に通うようにしましょう。

当院でのできもの治療

当院では、粉瘤をはじめとするできものの切除に対応しています。

局所麻酔を使った日帰り手術で、15〜30分程度で終わることが多いです。

できものの状態に合わせてくり抜き法や紡錘形での切除を選んでおり、傷あとにも配慮しながら処置を行っています。

気になるできものがある方は、お気軽にご相談ください。

できもの治療に関するよくあるご質問

できものの治療について、よく寄せられる疑問にお答えします。

気になる点があれば、遠慮なくクリニックへご相談ください。

できものは放っておいても大丈夫ですか?

多くのできものは良性で、急いで治療する必要は少ないとされています。

ただし、粉瘤は自然に治らず、少しずつ大きくなることが多いものです。

大きくなると手術の負担も増えるため、気になる場合は早めの相談がおすすめです。

赤く腫れて痛むときは、できるだけ早く受診してください。

くり抜き法と紡錘形のどちらがいいですか?

どちらが適しているかは、できものの大きさや炎症の有無で変わります。

小さく炎症のない粉瘤はくり抜き法、大きい・炎症歴のある粉瘤は紡錘形が向いているでしょう。

最終的な傷あとの差は、それほど大きくないとされています。

医師が状態を見て適した方法を提案するので、相談してみましょう。

できもの治療に保険は使えますか?

粉瘤などのできものは、保険が適用されます。

3割または1割の自己負担で切除を受けられます。

金額は大きさや部位によって変わり、このほかに診察料・検査料・処方料などが別途かかります。

手術の傷あとは目立ちますか?

切除では皮膚を切るため、多少の傷あとは残ります。

ただし、丁寧に縫合することで傷あとは目立ちにくくなっていきます。

傷あとを重視する場合は、形成外科で相談するとよいでしょう。

▶︎抜糸後の処置と傷あとを残さないケアを見る

まとめ

できもの(粉瘤など)の治療は、袋ごと取り除く切除が基本です。

炎症のない粉瘤はくり抜き法か紡錘形で切除し、状態によって方法を選びます。

炎症しているときは、まず切開排膿や鎮痛剤で炎症を抑えてから切除するのが基本です。

できものの切除は保険が適用され、自己負担を抑えて受けられるので、気になるできものがある方はぜひ当院へお気軽にご相談ください。