「シミ」といってもさまざまな種類があり、治療方法もそれぞれ異なります。

今回はシミの種類や原因、当院での治療方法などをご説明します。

 

シミの種類と原因

シミにはさまざまなタイプがあり、主に6種類に分類されます1)。

 

日光性黒子(老人性色素斑)

もっとも一般的なシミで、老人性色素斑とも呼ばれます。

顔や腕など、紫外線を浴びやすい部位にできやすく、30~40歳代以降に目立ちやすくなるといわれています。

紫外線によって表皮細胞に老化がみられ、メラニンが蓄積し、肌のターンオーバーが低下することが原因のひとつと考えられています。

 

老人性イボ(老人性疣贅・脂漏性角化症)

老人性イボは日光性黒子が発展した良性腫瘍で、老化によってできるイボといわれています。

中高年の顔や手、腕など紫外線を浴びやすい部位にできやすい傾向にあります。

形状は少し盛り上がったもの、棘状のものなどさまざまです。

まれに良性から悪性化することがごく稀にあるため、発見時には早めに取り除くことをおすすめしています。

 

そばかす(雀卵斑)

そばかすは鼻や両頬などにできる遺伝性の強い色素斑です。

幼少期から思春期にかけ、左右対称に数mm程度の小さな円形の褐色斑が発生するとされています。

そばかすは遺伝性ですが、比較的短い期間に紫外線を浴びることで色素細胞が活発にはたらき発生するものとされます。

 

肝斑

肝斑は30~40歳代の女性にできやすく、左右対称に目尻の下や両頬に発生するとされています。

表皮内にある色素細胞が異常に活発にはたらくことで発生すると考えられています。

肝斑のはっきりとした原因はわかっていませんが、妊娠や女性ホルモンのバランスの乱れ、メイクの刺激による擦れや日焼けなどが原因として考えられています。

 

後天性真皮メラノサイトーシス(ADM)

20歳代以降、そばかすよりも少し大きめの色素斑が額や両頬、下まぶたなどに発生するとされています。

後天性真皮メラノサイトーシスは日光性黒子やそばかすなどと見分けが可能ですが、判断が難しく、肝斑と見分けがつきにくいもの、肝斑と合併する場合もあります。

後天性真皮メラノサイトーシスもはっきりとした原因はわかっていませんが、女性ホルモンや紫外線の影響などが考えられています。

 

炎症後色素沈着

炎症後色素沈着は、顔に炎症を生じた部分にできるとされます。

境界が不鮮明で、網目状の色素沈着がみられます。

体内にさまざまな炎症症状を引き起こす炎症性サイトカインなどによって色素細胞が活性化することが原因として挙げられます。

ニキビや接触性皮膚炎などを何度も繰り返した後にみられることのある症状です。

 

シミの治療法

シミ取りの治療には以下のようにさまざまな治療法があり、場合によっては併用して治療を進めることもあります。

一人ひとりの状況や状態、ご希望に応じて適切な治療法をご提供します。

 

日光性黒子

こたろクリニックでは、Qスイッチルビーレーザーと最新のシミ取りレーザーであるピコレーザーをおすすめしています。

レーザーでは、ピンポイントで除去したいシミを改善できます。

ピコレーザーはピコ秒(1兆分の1秒)という非常に短い時間でレーザーを照射するため、肌へのダメージが少なくなることが特徴です。

治療してから1ヵ月後に炎症後色素沈着を引き起こすことがありますが、ピコレーザーの場合、色素沈着を起こしにくいとされています。

また状態によっては、光治療のBBLフォトプラスもご提供しています。

 

老人性イボ

当院では、炭酸ガスレーザーをおすすめしています。

スキャナ機能がついているハイスペックなレーザーなので手で動かして照射するよりも、均一な深さできれいにイボを除去することができるといわれています。

 

そばかす

当院では、ピコレーザーもしくはBBLフォトプラスをおすすめしています。

広範囲に症状が及ぶ場合には、光治療をすることもあります。

そばかすは遺伝性のため、再発する場合がありますが、こたろクリニックでは初夏に悪化しやすいことを考慮し、独自メニューとして定期的に照射できるプランをご用意しています。

 

肝斑

従来行われていたのは、高出力のレーザー治療やハイドロキノンクリームなどの塗布、トラネキサム酸やビタミンCの内服での治療です。

しかし従来のレーザー治療などでは思っていたような効果が得られない、または症状の悪化などがみられることがありました。

最近では、ピコレーザーによるピコトーニングで肝斑を治療することが可能となっています。

ピコトーニングでは、低出力で時間をかけて徐々に肝斑を薄くしていきます。

低出力のため、肌へのダメージは少なく、かさぶたを形成することはないと考えられます。

その他、トラネキサム酸内服なども行っています。

 

後天性真皮メラノサイトーシス(ADM)

当院では、Qスイッチレーザーをおすすめしています。

一般的にメラニンが蓄積している真皮メラノサイトにはレーザー治療が適し、再発も少ないとされています。

一方で、治療後に照射した部位のまわりにある真皮メラノサイトのはたらきが活発になることや炎症後色素沈着を起こし、一時的に色が濃くなる可能性があります。

 

炎症後色素沈着

炎症後色素沈着を引き起こした原因を特定し、原因を取り除くことが大切です。

通常、数ヵ月~半年程度で自然軽快すると考えられています。

色素細胞が活発にはたらくことで症状が現れるとされ、刺激を避けるための遮光や美白化粧品との併用により、症状が改善するといわれています。

 

シミ取り治療の経過とダウンタイム

当院での治療経過やダウンタイムをご説明します。

治療経過や反応には個人差があります。

 

日光性黒子、後天性真皮メラノサイトーシス

Qスイッチルビーレーザーまたはピコレーザーで照射後は、茶色のUVカットテープの絆創膏を貼ります。

テープが取れない限り、約2週間後の再診時まで貼ったまま過ごします。

透明のUVカットフィルムの絆創膏の場合、紫外線を97%カットし、フィルムの上からメイクも可能です。

レーザー照射後、数日後にかさぶたができることがありますが、3日~2週間程度でかさぶたが取れます。

レーザーを照射してから1ヵ月後に炎症後色素沈着が起こり、一時的にシミが濃くなることがあります。

かさぶたが取れた後、またはレーザーを照射して2週間後から、日焼け止めかUVカットの化粧下地を塗ることで炎症後色素沈着を早い段階で薄くすることができます。

ダウンタイムとして、輪ゴムで弾かれたような痛みや炎症後色素沈着、赤みなどを生じることがあります。

 

※Qスイッチルビーレーザーについて

  • 国内では医薬品医療機器等法上、未承認医療機器です。
  • 当院では医師の判断の下、国内販売代理店経由で購入しています。医学的知見のない個人輸入は推奨していません。
  • 国内の承認医薬品等の有無について、他に同程度の性能を有する国内承認医療機器はありません。

 

老人性イボ

患部を冷やし、細い針で内出血と痛みに考慮しながら局所麻酔を行います。

その後、炭酸ガスレーザーで患部の組織を蒸散させ、テープで保護して完了です。

患部が回復するまで1〜2週間ほどの時間がかかります。

生傷が治った後は、ピンク色になっており、3〜4ヶ月かけて肌色に馴染みます。

ダウンタイムとして、炎症後色素沈着や麻酔薬によるアレルギー反応などがみられることがあります。

 

そばかす

BBLフォトプラスでは、照射後に数日でマイクロクラスターと呼ばれる焦げ茶色がかった表皮成分が形成され、5~7日で剥がれ落ちます。

Qスイッチルビーレーザーもしくはピコレーザー の場合、1~3回でシミを取り除くことが可能とされますが、BBLフォトプラスは複数回の施術が必要です。

自宅で日焼け止めと保湿剤によるケアをお願いしています。

ダウンタイムとして、火傷や炎症後色素沈着、赤みなどを生じることがあります。

 

肝斑

ピコトーニングの照射後は一時的に肌がほてったように赤くなることがありますが、数時間〜数日でもとに戻ります。

経過や反応に個人差はありますが、当院では6回目くらいから肝斑が薄くなってきたことを実感できる場合が多いです。

治療後は、炎症後色素沈着や赤み、白斑などが生じることがあります。

トラネキサム酸内服の場合、1日3錠を内服し、1ヵ月程度でシミの色が薄くなってきたように感じるといわれています。

エレクトロポレーションを使用することで、より肌の角質層の奥深くにトラネキサム酸を浸透させることが可能と考えられます。

腎不全や心筋梗塞、脳梗塞、静脈塞栓の既往がある方は当院でトラネキサム酸内服による治療はできません。

副作用として、食欲不振や嘔吐、下痢などがみられることがあります。

 

※エレクトロポレーションについて

  • 当院では、ケアシス-Sを導入しています。国内では医薬品医療機器等法上、未承認医療機器です。
  • 当院では医師の判断の下、国内販売代理店経由で購入しています。医学的知見のない個人輸入は推奨していません。
  • 国内の承認医薬品等の有無について、他に同程度の性能を有する国内承認医療機器はありません。

 

炎症後色素沈着

通常、数ヵ月~半年程度で自然軽快していくと考えられています。

美白化粧品などの使用により、より早く改善するといわれています。

状態によってはレーザー治療や光治療をする場合もありますが、治療をすることで患部への刺激となり、症状を悪化させることがあります。

定期的に通院し、医師と相談の下、治療を進めることが大切です。

 

シミ取り治療の料金

当院での施術料金は、以下の通りです。

 

日光性黒子(シミ)

ピコシミ取りショット 1つ〜5mm 5,500円(税込)
5.1〜10mm 8,800円(税込)

 

老人性イボ

イボ1mmにつき2,200円(税込)
首取り放題(半年間有効)220,000円(税込)
顔取り放題(半年間有効)330,000円(税込)

※見た目の改善目的では自費治療、悪性腫瘍との鑑別目的では保険適用となります

 

そばかす

BBL トライアル13,200円(税込)
BBL 1回22,000円(税込)
BBL 6回99,000円(税込)

 

肝斑

ピコトーニング トライアル 全顔 1回13,200円(税込)
ピコトーニング 全顏 1回22,000円(税込)
トラネキサム酸30日分2,750円(税込)
エレクトロポレーション10,780〜16,500円(税込)

 

後天性真皮メラノサイトーシス(ADM)

ADMシミ取りレーザー1回55,000円(税込)

 

炎症後色素沈着

ビタミンC 30日分2,750円
トラネキサム酸 30日分2,750円
Lシステイン 30日分2,750円
ユベラ 30日分2,750円
グルタチオン錠 30日分4,400円

シミ取りレーザーには症状に応じてさまざまな種類があります。

当院では患者さん一人ひとりの状態やご希望に応じて、治療法をご提供しています。

気になる症状でお悩みの方は、当院へお気軽にご相談ください。

 

【参考】 1)川田暁.『美容皮膚科ガイドブック第2版』中外医学社.2019.

 

WEBからのご予約も可能です。

スマホやパソコンから空き状況をご確認の上、ご予約できるのでおすすめです。初診の受付も可能です。

WEB予約フォームはこちら

※院内でのお待ちいただくお時間を軽減するためにご予約後にWEB問診票のご記載もお願いします。

※ご予約は診療のご予約となります。処置の予約ではないのでご注意ください。

(こたろクリニック院長 :吉武 光太郎 監修)

京王線「笹塚駅」から徒歩1分
こたろクリニック

駒沢近隣にお住まいの方は、こたろクリニック分院のNES駒沢クリニックもおすすめです。